【Cameraman and Editor's NOTE】23)パラパラ

【Cameraman and Editor's NOTE】23)パラパラ
動画は、静止画を短時間で多数見せることで動いているように見せるものです。
1秒間に何枚の静止画を見せるかを表した単位をfpsというのですが、少なければカクカクした映像に、多ければ滑らかな映像になります。
テレビの場合は29.97です。このくらいが人間の目には自然な動きに見えると言われています。
fpsが高くて滑らかなほどいいか、というとそうでもなくて、120fpsで作られた映画もありますが、滑らかすぎてヌルヌルで気持ち悪い、という評判でした。
一般の映画は、というと24fpsで作られることが多いです。
これはまだフィルムの時代に、出来るだけ少ないフィルムで出来るだけ自然に見えるように、という妥協の産物で、よく見比べると自然な動きよりちょっとカクカクしています。パラパラ感とも言います。
長年にわたり24fpsで映画が制作されてきたため、パラパラ感=映画というお客様への刷り込みが生じて、結果として24fpsの映像を見ると、それだけでワクワクした非日常をイメージする方が多いようです。
ちなみに本作品は15fpsで制作されています。(正確には29.97fpsで制作してストロボフィルタで2フレーム間隔で2フレーム静止を持続させています)
予算的にも各方面の技量的にも、映画に必要な非日常感を作り出すことが難しかったため、パラパラ感の力に強く頼りました。
そのため作品の持つリアルさとのバランスがうまく取れたと思います。
(ちなみに、本作品では例外的に10fpsのシーンと30fpsのシーンが一つずつありますが、お気づきになりましたか?試写で見る限り、かなりカクカク、かなりヌルヌルで目立ってたように感じましたが、それぞれそうした理由があります)