【Cameraman and Editor's NOTE】25)その場限りのもの

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いよいよ上映も今日25日が楽日。
(最終回まで満席となりましたので一部文章を削除しました)
スクリーンに上映されるものは、私のPCの編集画面で見るものとも違って無二のものです。
これはこの作品に限らず、上映されるものはすべてそうで、上映環境によってスクリーンに映るものは違います。
私は普段、結婚式場でエンドロールムービーを制作して上映していますが、一番多く入る会場では、恐らくはプロジェクタの影響でしょうが、黄色と緑が異常に強調された上に黒が足されて映し出される傾向になります。
彩りを強調して彩度を強めに制作すると、人の肌の色が映画「アバター」の登場人物のように黒ずんだ緑に映し出されてしまうので、黄色と緑を色調整で弱めにして、やや紫っぽい感じで制作しています。
そこまで極端ではないにしろ、あそviva!劇場のプロジェクタにも結構な癖があって、データの完パケはかなり青く作ってあります。
どうもプロジェクタで白と青の区別があまり明確ではないようで、こうしないと顔が黒くなってしまいます。
(写真で右下の美智子の髪の光が当たってる部分が明らかに青ですが、上映ではそうではありません。もっと白っぽい感じです)
昔の写真はプリントで印画紙に焼き付けるところまでが写真の仕事でした。今は色に関しては見る環境に依存してますよね。
商業映画の現場では映写機がかなりの高性能で、データに忠実に投影されますが、それでも映写機による差はあるので、どんな映写機にでもあうような色を探す調整の仕事があります。
本作はそこまでは調整していませんので、あくまであそviva!劇場で見る色は劇場限定のもの、その色から感じられるイメージは劇場限定のイメージなのです。