【Cameraman and Editor's NOTE】14)シナリオにないカット


10月7日なのにまだやってるのか、という話もありますが、編集も大詰め、作業時間であと1時間程度でしょうか。
BGMも乗って、映画としての形をなしてきています。
もともと演劇的に始まったこの作品ですが、なんとか映画的な方向に傾けようとして、シナリオにないカットを提案したり独断で入れたりしている部分があります。
外部的にはネタバレになる部分もあります。本当は一度見ていただいてから解説でもしてみたかったのですが、二度見る機会もそうないでしょう。
なにより内輪に対して説明が完全には出来てませんので、その辺を含めて書いていきます。


①ラストカット
シナリオには明確になにをラストカットにするかの指示はありません。劇場内にいる全員の引き絵みたいなものを想定しているように読めます。
ラストの1カットの意味合いは、作品のファーストカットとの対比になっています。光が差し込んで始まり、光が消えて終わる、というシンメトリーを意図しています。

 


②曇り、雨、晴れ
寛の未来を先取りした表現です。サスペンスで人を殺そうと決意した瞬間に雷が落ちる的な、アレです。


③道路の白線を歩く
これはほんと個人的な思い入れで出演者全員に協力いただいたシーンです。
この世界では、登場人物がこれからやろうとしていることは違法合法の境目です。
その場所に向かう足が歩く位置が人物と場面によって違います。
広くて歩きやすい方が合法、狭くて歩きにくい方が違法を暗喩しています。

f:id:kabetama:20201017104304j:plain