【Cameraman and Editor's NOTE】9)長回し

 
この作品の一番の見せ場は、と言えばラストの9分26秒にわたるノーカット長回しを挙げます。
ここが映画っぽくないところでもあるのですが。
もともとのシナリオではここはこんな長回しではありませんでしたが、現場での役者のこだわりを尊重した結果です。
演劇の役者からしてみれば、生の舞台とは幕が上がれば終演までやり直しがきかない長回しみたいなものなのかもしれません。なにがそんなに珍しいのか、という感覚でしょう。
ただ映画で長回しといえば、例えば長回しで大きなインパクトを与えて長回しの話と言えば必ず出てくる「トゥモローワールド(2006年)」の一番長い最後の戦闘シーンが6分16秒だったりするわけで。
もちろん長いのなら「ゼロ・グラビティ」冒頭の17分とか完成度が高いうえに長いわけですし、長回しだけを目的に撮っている作品はいくらでもあります。
ただ、意図せず長回しになってしまった長さで言えば映画史上に残る・・・というか、そもそも意図せずそうなること自体が映画としてはおかしいのですが。

f:id:kabetama:20201017103358j:plain