【Cameraman and Editor's NOTE】8)演劇という結論

編集作業を進めながら考えるうちに、やはりこれは映画ではなく演劇なのだ、という結論に達しました。
映画と演劇との違いがどこにあるかというと、制作側と客席の信頼関係にあると思います。
たとえば山を見せるとき、演劇なら山で演じるのもありでしょうが、山の絵一枚を後ろに置くでもいいでしょう。
落語なら絵すら不要、むこう見て「大きな山やなあ」の一言で成立します。
この話は桂枝雀師匠のネタなんですがね。
その延長で言うと映画は、山に行って山を映さなければなりません。
なぜそうなるのかを枝雀師匠は、落語ではお客様との約束があるから、信頼関係があるから、と説明します。
映画ではお客様との信頼関係がないのですよ。
お客様は騙されないように映画を監視するのです。なぜなら、映像ほどお客様を騙しやすいものがないからです。
いい言葉で言えばリアリティーの追求ですけどね。
だからこそ普段、結婚式のエンドロールを作る際には、冒頭部分でお客様との信頼関係を築けるように気を遣っています。
この作品に関して言うと、演劇的に作られているため、お客様からの演劇的な信頼をいただくことが必要になってきますが、そこをどう解決していくか…
少なくとも映画映像的なアプローチは避けた方がいいように思います。
 

【Cameraman and Editor's NOTE】7)映画の文法

「映画の文法」を改めて読み直してます。
やはり読み返せば読み返すほど、やはりこれは映画じゃないのかもしれない、という思いです。
映画とはなにか、という原点の話は、実はこの映画の中でも出てきます。
というか、映画の起源について講義する場面があります。
もともとは電気を使って絵が動く、不思議だね、という見世物として始まったもので、動画を見せてゼニを取れば映画として成立をする、という考え方もあります。
一方でそのあとに積み重ねた映画の文化というものがあって、それをどれだけ反映させているか、ということも映画には問われると思います。
絵が動いてゼニになればいいのであれば、テレビもYouTubeも映画だということになってしまいますのでね。
その点でどうなんだろう、と。
 

 

 

【Cameraman and Editor's NOTE】6)演劇と映画の狭間で

【Cameraman and Editor's NOTE】6)演劇と映画の狭間で
粗っとした編集が楽しく難航していましたが、終わりが見えてきました。
問題はこれを、どう映画として成立させるのか、あるいは映画としては成立させないのか・・・。
映像化された演劇と映画の狭間を漂っています。

f:id:kabetama:20201017102239j:plain

【Cameraman and Editor's NOTE】5)9月2日放送SBSラジオ ふくわうち

【Cameraman and Editor's NOTE】5)9月2日放送SBSラジオ ふくわうち
いま映画制作に撮影・編集で関わっています。
それにまつわる話を【Cameraman and Editor's NOTE】として書いていきます。
9月2日にあまるさんとひっきぃさんがSBSラジオに出て、この企画について話をしたものがラジコで9月5日まで聞けるようです。25分過ぎですかね。
縁ってのはほんと不思議なもので、劇場クラスタ感染で休んでいた映画評論家の有村崑さんの番組復帰初日に、劇場感染対策休業からの映画制作の告知ってのは、神様が仕組んだのかSBSが仕組んだのか・・・?
傍で聞いている分にはほんと当たり障りなく終始していましたが、有村さんがどう受け止めたのかは気になるところです。
あ、あと上映時間を長くて2時間におさめたいとか、あまるさんが言ってましたけど、editorとして言わせていただくと長くても90分におさめるべきと思っています。

【Cameraman and Editor's NOTE】4)特設ページについて

webの特設ページが出来て、あらすじを読むことが出来るようになってます。
うーん、出演して全部撮影して編集を進めてる今になって初めて知った設定があるな…。
舞台はそこまで抑圧された社会だったのか、ということを改めて知るわけですが、抑圧された社会って意外とそんなものなのかもしれません。
今だって、公演が非合法となったとしても、その必要性があるということになれば、すんなり受け入れられてしまうでしょうしね。

【Cameraman and Editor's NOTE】3)チラシ写真について

 

f:id:kabetama:20200903180328j:plain

チラシのトップ絵は、我ながらいい写真を撮ったものだと思います。
小劇場の持つ魅力と方向性を一枚で表現出来ました。
生データだと背景が結構ごちゃごちゃしてたので、データを渡すときに、画像編集でコントラスト強めに(すれば暗いところがますます暗くなってごちゃごちゃ感が減る)とリクエストしたのですが、意図したところを読み取ってもらって、それ以上にきっちりと修正していただきました。
今日9月2日の13時20分ごろからSBSラジオで、あまるさんが出演して告知するとのことです。

【Cameraman and Editor's NOTE】2)自主映画について

 
プロデューサーである、あまるさんは自主映画と表現しています。恐らくはイベント類の自主企画という言葉の延長で使っているのでしょうが、個人的な好みでいえば、あまり好きな言葉ではありません。
もともと自主映画という言葉に決まった定義はありませんしね。
ハリウッドメジャー以外の映画という意味でも、自己資金で作る映画という意味でも使われます。
日本では商業映画との比較で、作り手が自己満足で好きに作る、というニュアンスで使われることが多いと思います。
本作に関してはあくまで主目的が興行にある、という点で、世間から色眼鏡でみられる自主映画という枠にハマっていません。
じゃあ商業映画なのかといえば、決してそこを目的にしているわけでもありません。
いうなら新しい形の映画ではないでしょうか。